All Aboutにて公開されている、「厚切り大根に味を染みこませる下ごしらえの方法は?」。大根の下ごしらえについて、今までで一番細かく解説してみました。
記事の中で紹介しきれなかった大根の切り方は「大根の面取りと隠し包丁の入れ方」に記したのですが、今回は下茹でについて紹介します。
下ごしらえの方法を2つ紹介しています。
1.蒸す
2.米のとぎ汁でゆでる。
この2つです。蒸すと、大根の水分が飛んで、水分が少なくして、煮汁が染みやすくさせるわけです。とぎ汁でゆでるのは、大根を白く仕上げ、えぐみを和らげ、煮汁を染みやすくしてくれるからです。
どっちが正しいということではないので、こんな方法があるということを知っていただければいいな、と思っています。私自身は気分次第。新しいせいろを買ったばかりの頃は蒸してばかりいたし、米を洗った直後はとぎ汁でゆでたりしています。
なかなか、仕上げの違いを比べることはないので、今回は仕上げも比べてみることにしました。
1.大根を蒸す
大きめの鍋にお湯を1/3ほど沸かし、その上に蒸しざるを置いて、切った大根を並べて、20分中火で蒸します。蒸すと、大根は乾いたような表面になっていて、しっかりと火が通っています。
ざるにあけてみると、こんな感じです。透明な部分がしっかりと火が入っているところです。柔らかいので、箸でつかもうとすると崩れます。なので、清潔な布巾をはさんで、手でつかんでみました。
下ごしらえした大根は、こんな感じで煮物に。シンプルにだし・薄口醤油・みりんで仕上げています。20分炊いて、20分置いて、冷ましながら煮汁を含ませます。詳しいレシピはAll Aboutを参照してみてください。
写真で見ると分かりますが、とぎ汁でゆでた大根より、味の染みこみスピードが速いです。
2.米のとぎ汁でゆでる
大きめの鍋に大根と、大根がかぶる程度の米のとぎ汁を用意して、20分ほどゆでます。レシピによっては大根が柔らかくなるまで、30分ゆでるなどと、色んな表記がありますが、蒸すのと同じ20分にしています。
ゆでた大根はざるにあけて、ぬか臭さ(とぎ汁だけど)を取るために流水で洗います。洗ったら、ざるにあけて、水気をしっかりと切ります。切らないと、水分が残っていて、煮汁が染みにくくなります。忘れないように!
とぎ汁でゆでた大根は、全体が白! 透明できれいです。
大根とこんにゃくをだし汁・薄口醤油・みりんで、ゆっくりと炊いてみました。こちら20分炊いたあとの様子ですが真ん中の部分がまだ白いです。蒸したものと同じくらいに色になるには、さらに15分炊く必要がありました。なので合計35分炊きました。
さて、できあがり。
仕上がりの違いですが、味が染みるスピードは蒸した方が早かったです。
そして味ですが、これは本当に微妙な違いです。米のとぎ汁でゆでたものの方が、大根のえぐみが少なく感じました。
大根の下ごしらえを比較してみましたが、実験としては不十分な部分がいくつかあります。例えば、鍋が違う。大根の厚さ・太さ・大きさにムラがある、などです。だから、ひょっとしたら、条件を変えてもう1度やってみたら、違う結果が出るかもしれません。鍋は揃えられそうですが、全く同じ輪切りの大根を用意するのは難しい…。
なので、あくまで参考にしていただけたら幸いです。